4年前の夏、突発性難聴を患いました。当時は、ナレーターといって人前でマイクを使って話したり、ビジネスマナーインストラクターの仕事に就いていまして、殆ど休みがなく働いていました。ある日、B to Bの法人対応の仕事中、突然、左耳だけが塞がれたような感覚に陥りました。
自分で話していても、声が籠るような感覚で普段の様には話せず、違和感を覚えました。時間がたてば治るかと思っていましたが、その後1時間経っても、2時間たっても塞がった感覚が治らず、仕事後に病院に行き発覚しました。
まずは耳鼻科に行きました。診察によると、左耳の聴力がゼロに近い数値になっており、緊急入院が必要ですとのことでした。直ぐに紹介状を書いてもらい、そこから10分ほどの病院を受診しました。精密検査の結果は、はやり突発性難聴でした。「一日でも早く入院して下さい」とのことでしたが、どうしても外せない仕事がありましたので、その時は断りました。
「重要な仕事を終えたら、2日以内に必ず家族を連れてきてください。」と、医師から言われておりましたので約束を守り、再度病院へ行き医師から家族への説得もあり、入院に至りました。その日から闘病は始まりました。点滴によるステロイド投与で、それは2週間続きました。
病棟には、突発性難聴とよく似ていると言われる病【メニエル病】で入院された方がお一人いらっしゃり、その方とはよくお話をしました。その方も仕事がメインで、毎日忙しい日々を過ごしていらしたようです。メニエル病は何度も繰り返すという特徴があるそうで、初めての入院ではなかったようです。まず、神経を張り巡らせてしまうといけないという共通点があることを教えてくださいました。
その方は経営者でいらして、私の性格やある程度の職種を見極めていたようで、そのアドバイスは的確でした。頑張りすぎない事や責任感も持ち方を緩和させること、自身でコントロールして、口癖を「ありがとう」にして、人に伝えることが大事だと教えてくださいました。そうやって、人を頼ると楽になることを言われたことを覚えています。
看護師の方も本当に素晴らしく、「そろそろお風呂に入りたいな」と思っていたら、タイミングよく「まだお風呂はダメだけど、髪の毛だけでも洗いませんか?すっきりしますよ」と言ってくださったことがありました。本当に驚きました。流石、プロの方です。他の患者さんにも自分から積極的に気持ちを伝えられない方には「痛みはどう?我慢し過ぎないでね」などの声掛けをしており、「痛いんでしょう?じゃあ薬持ってくるね。ちゃんと眠れている?」とも聞いていて、寄り添っていた姿に感心しました。
病棟には心臓疾患の方もいらして、夜中に心電図を図る機械音が鳴り響き、医師の方が飛んでくるようなこともありました。このまま重症化したらどうしようと、自分のことの様に心配しました。また、自分のことでいえば、点滴中そろそろ点滴が終わるので、ナースコールを鳴らしたのですが、忙しくて誰も来てくれず、血液が逆流してしまったことが一度ありました。
点滴が初めてだったので、逆流していくことでパニックを起こしてしまいました。大事には至らず、逆流しても問題ない事を後から知りましたが、その時は怖かったです。でも、それ以外は、感動したエピソードしかありませんでした。看護師の方は、本当に天使なのではないかと思った2週間でした。
初めての入院で、人の温もりを感じましたし、無理をしないことが、何よりも大切だし、人へ迷惑をかけないことにつながることを知りました。この体験を通しての学びが多かったので、最後には皆様へのメッセージを手紙に添えて、退院しました。